第31章 2人の部屋で初めての夜 ☆
引越ししたてのバスルームは、生活感がなくてまるでホテルみたいだ。
2人で使うシャンプーとコンディショナー、ボディソープ。
そして陣平くんのシェーバーやわたしのトリートメントとメイク落としが並んで、幸せな気持ちになった。
さっき、今日は陣平くんとしないのかな…なんて残念に思ったけど、こうして一緒に住み始めたんだもん。
わたしたちの関係は着実に前に進んでる。
そして、陣平くんを救える未来にも近づいてる。
幸せすぎて、そんな気さえした。
バスルームを出てすぐの脱衣所に置いてある自分の部屋着を手に取って思った。
陣平くんのスウェット、もう着れないのか…
前は陣平くんの家にお泊まりだったから、わたしの荷物は必要最低限だった。
陣平くんのスウェットを借りたくて、わざと部屋着を持って行かなかったわたし。
けれど今は同棲してるから当たり前なんだけど、わたしの荷物は全部この家にある。
仕方ないか…自分の着よう…
お気に入りの部屋着のはずなのに、陣平くんが貸してくれるスウェットには敵わず、何となく低いテンションのまま着替えた。
そして髪を乾かし、寝る準備をすると、陣平くんがいるベッドルームに向かった。