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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第4章 俺と萩原




泣いてる2人の横を通り過ぎ、俺は何も言わずに萩原の前に立った。


横たわる萩原は、とても萩原に思えない。

思えないのに、俺はその身体に絞り出すような声で言った。


「何やってんだよ…萩原ァ…」


お前の大事な姉ちゃんと、宝物だと言った妹が泣いてるぞ…

そばにきて、早く抱きしめてやれよ…



俺の目から涙が溢れたのは、いつぶりだろうか。

傷付いた萩原の身体がだんだんぼやけて、喉の奥が詰まる。




なあ、萩原。
俺たちはいつも一緒だっただろ?


子供の頃も、学生時代も、職場だって同じだ。

兄弟同然に育ったじゃねぇか。

俺は萩のことを一番わかっていて、俺のことを一番わかっているのは萩だったはずだろ?


なのに、ひとりで行くのかよ。

俺を置いて、千速を置いて、ミコトを置いて

ひとりで行くのかよ…馬鹿野郎…



俺の最愛の親友だった萩原は、11月7日

この世から消えた。


あの余裕ぶった笑顔も二度と見れねぇ

軽口を叩く声も二度と聞けねぇ。

もう2人で何かをバラして遊ぶことも、いつもの居酒屋で終電まで飲むこともできねぇ。



身体だけ残して、他は跡形もなく消えた。


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