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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第30章 ライバルとの初対面




松田くんは、彼女が可愛くて仕方ないって顔で見つめてる。


「み、美和子。
レストランやめとく?」

「え?どうしてよ。
お腹すいたんだから、行くわよ?」


ここで逃げたら、ますます私が松田くんを意識してるみたいじゃない!

そんな意地なのか、強がりなのかわからない気持ちで、私はトレーにどんどん料理を乗せるとズンズンとレジの方に進んでいった。

そんな私を、由美は苦笑いしながら見てる。


「でも、あの松田くんにあんな可愛らしい彼女がいたとはねえー。
ぱっと見、若いわよね?いくつなんだろ」

「あいつ、あれで結構優しいところあるから、そりゃ彼女だって可愛い女の子でしょうよ。
毎日彼女の話しして惚気てるし」

「それ、わざわざ聞いてあげてんの?美和子。
そんなの聞かなくていいからねー?」

「はいはい。
気を取り直して、美味しいものたくさん食べましょ!」


空元気を振り撒きながら会計を済ませ、トレーを持って座る先を探したけれど、さすが日曜日のお昼時、人の数が半端じゃない。

由美とふたりキョロキョロと空いている席を探してると、2人崖の席がひとつだけ偶然空いていた。

神様は相当いたずらが好きらしい。

空いていたのは松田くんが座る席のすぐ隣だ。


「み、美和子…別の席空くまで待つ?」

「…座りましょう!
何で私達が気を使って席を譲らなきゃいけないのよ!」

「いや…気を遣うとかそんなんじゃなくって…」

「いいから!とっとと食べて買い物に行くわよ?」


そう言って私達はズンズンとその席へ進んでいき、がたっと音を立てて椅子に座った。

しかし松田くんは、私と由美が隣りに座ったことに全く気付いていない。

知り合い(しかもほぼ毎日会っている)がすぐ近くに座っても気づかないなんて、それでも刑事なの!?
なんて理不尽に文句を言いそうになったけれど、その理由はすぐに分かった。

松田くんは、ずっとカノジョの方を優しそうな目で眺めていて、松田くんの目にはカノジョしか映ってない。

顔を見るだけで分かった。
物凄く好きなんだな。この子のこと。

惚気けるだけのことはある。


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