第30章 ライバルとの初対面
佐藤side
久しぶりの休日
私の運転する赤いRX-7の助手席には同僚でもあり、親友でもある宮本由美が座ってる。
「いやあー!やっぱり持つべきものは、車持ちの友人ねー」
「ちょっと由美?
車出す代わりにランチ奢ってくれるって約束、忘れてないでしょうね?」
「わかってるわかってる!
IKEAの中のレストランで何でも奢るからー!」
食べ物さえ奢っておけば、佐藤美和子は文句を言いつつも付き合ってくれる。
それを由美は十分にわかってる。
私も食べ物につられてる自分を自覚しつつも、まあ非番と言っても暇だし。
誰と会うわけでもないし。
会いたい人もいないし。
そう思った瞬間、どうしてかふと松田くんの顔が浮かんだ。
なに…
彼とは毎日嫌ってほど顔見てるじゃない。
非番の日まで会いたいなんて思うはずないでしょ!
美和子!しっかりしなさい!
隣で由美が何か話しかけてくれていたけど、自分の中に芽生えた邪念を振り払うかのように車を運転し、駐車場に車を停めた。
「じゃあ、家具見て回る前に、先にお食事をいただくわ。
忘れないうちに今日のお礼もほしいし?」
「わかったわかった。
じゃあ、レストランいこ?」
お腹が空いていた私は、ショールームを回る前にレストランに行きたいと提案。
由美もお腹が空いていたようで、私達は揃ってレストランに向かった。