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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第29章 この部屋で過ごす最後の夜 ☆




松田side


自宅の玄関ドアを開け、中に入ると狭い部屋はほとんど段ボールで埋め尽くされていた。

しまった。
今日、調理器具も使えねえってことは飯は無いのか…
コンビニで何か買ってくればよかった…

そう思いながら狭い廊下を通って、ミコトがいるワンルームに脚を運ぶと、ベッドの上で身体を丸めて眠るミコトを見つけた。

待ちくたびれて、眠ってしまったらしい。


「猫かよ。こいつ」


むにゃむにゃと寝言を言いながら、可愛い顔して眠るミコトは、まるで猫みたいだ。

起こしちゃ悪いな。

そう思いながらベッドに腰をかけ、ミコトの頭をゆっくりと撫でた。
いつもはわしゃわしゃと撫でるのに、今は懇切丁寧に。

その瞬間、ミコトはぱちっと目を覚ました。

そしてガバッと身体を起こしながら俺に抱きついてくる。


「陣平くん!お帰り!!」

「悪い、起こしたな」

「ううん?起こしてくれてありがとう!
寝るつもりなかったのに、いつのまにか」


そう言ってあははと笑いながらベッドから身体を出したミコトは、自分のカバンのすぐ横に置いてあったバッグを開けて言う。


「陣平くん、お腹空いてない?」

「空いてる。コンビニで何か買ってくればよかったって思ってたとこ」

「そ?じゃあこれ食べて?」


そう言って取り出したのは、少し小さめの重箱。
かぱ…と蓋を開けて中身を見せながら、ミコトは満足気に中身の説明を始めた。


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