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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第29章 この部屋で過ごす最後の夜 ☆




「陣平くん!」

「悪いな、遅れて。俺の教育係がうるさくってよー…」


そう言いながら、陣平くんは同期3人の輪の中に入った。


「松田の教育係とは、心中お察しするよ」

「なんだ?零。
こんな優等生な警察官いねぇだろ?」


そんな冗談を言い合って、みんなでお墓の前で手を合わせた。


お兄ちゃん。
お兄ちゃんの大事な仲間は、こんなにも温かくてそれぞれがかっこよくて、輝いてたんだね。

この4人と一緒にいるお兄ちゃん、わたし実は見たことないんだ。

どんな風に接してたの?
警察学校で、この人たちとどんな思い出が出来た?

聞きたいことはたくさんあって、お兄ちゃんが亡くなってから1年経っても2年経っても、聞きたいことは増え続けていくばかりだ。

お兄ちゃんにもう一度だけ会いたい。
そんな願いを、神様は叶えてくれた。
なのに、あの時間に、もっとお兄ちゃんとの時間を過ごせばよかったと、結局また後悔が残った。

大好きだと言えただけで、他は何も伝えられていない。

だから、わたしはお兄ちゃんが俺の妹、すげぇだろ?と天国で自慢できるような生き方をする。
そう決めたの。


ゆっくりと目を開けると、陣平くんをはじめとする4人は、じっとわたしが手を合わせるところを見ていたみたい。


「相変わらず、萩にワガママたくさん言ってるんだろ?」

「ワガママなんて言ってないもん!」

「まあ、萩原なら喜んで聞いていると思うよ」


そう言ってわたしと陣平くんの些細な言い合いを、降谷さんが笑顔で止めた。


「松田は、萩原に何を話したんだ?」


伊達さんのその言葉に、陣平くんは平然と言ってのけた。


「俺?ミコトと一緒に住むことになったって言った」

「え?!!?」

「ど、同棲ってことか?!」


今日一番大きな声で驚く諸伏さん。
そして、まさかあの松田が?!とでも言いたげな伊達さん。
揃って目を丸くして陣平くんを見た。


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