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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第28章 はじまりの一歩




松田side


こうして幸せ絶頂のはずの部屋探しがスタートしたわけなのだが…

不動産に到着し、いくつか部屋をピックアップしてもらっている時、俺とミコトの喧嘩が突如として勃発した。


「だから!オートロックは必須って言ってんだろ?」

「でもキッチンが狭いのはヤダ!!」


払える家賃の上限は決まっていて、その二つの希望を叶える家がなかなか見つからず、両者どちらも譲歩しようとしない。

不動産屋の社員も、呆れた顔して俺たちを見た。


「オートロックなんていらないよ!
外は人通りも多いし!」

「俺が当直で帰れねえ夜もあるんだぞ?
絶対にオートロックがないとダメだ」

「でもこんなに狭いキッチンじゃ、お料理するのにすごく時間かかるよ!?」


そんなやり取りを永遠と繰り返している俺たち。

この2人への接客で1日が終わってしまうと思ったのだろうか、不動産屋がある提案をする。


「こちらの物件はいかがでしょう?
ちょうど来月に空く物件なのですが、今日即決して、来月まで待ってもらえるならご予算内の家賃で契約が可能です」


そう言いながら出された紙に書かれた物件を凝視する俺たち。

築浅で、キッチンも広め、オートロックが付いている。
入居が来月になるが、それは百歩譲って仕方ないか。


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