第27章 2ヶ月分の大好き ☆
2ヶ月ぶりに陣平くんと何度も何度も身体を重ねた結果、わたしの身体は今ベッドで使い物にならなくなってる。
ふにゃふにゃで力が入らず、ただ陣平くんのベッドから香る彼の匂いを嗅いでは癒されての繰り返しだ。
「ミコト。水、飲むか?」
スウェットのズボンだけ履いて上半身裸の陣平くんが冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきてくれたけど、わたしはその上半身に目を奪われてはドキドキと胸を鳴らしていた。
「飲みたいけど…起き上がれない…」
「…しゃあねえな。
じゃあ、飲ませてやるよ。俺が」
意地悪に笑ったあとそう言って水を口に含むと、陣平くんはわたしの頭に腕を入れて半分抱き起こすと、唇を重ねた。
そして陣平くんの口から、口移しで水が運ばれてきた。
へんなの。
水なのに、なんでこんなに甘いんだろう。
「美味い?」
「…美味しい…」
「おかしいな。俺も、飲ませた側のはずなのに甘くて美味い」
そう言っていたずらっ子みたいに笑った陣平くんは、わたしのおでこにキスをして隣に寝転がった。
腕枕をして、肩を抱き寄せてもらうと陣平くんの厚い胸板がわたしの居場所になる。
「2ヶ月ぶりって、我ながらよく我慢したぜ…」
「だね。
…でも、もし一緒に住み始めたら、その…陣平くんが良ければいつでもできるよ?」
そう言葉にした瞬間、自分がなんで大胆なことを言ったんだろうと途端に恥ずかしくなった。
かああっと顔が熱くなって、慌てて誤魔化すように陣平くんに抱きつくと、陣平くんは優しく笑いながらわたしの頭を撫でた。
「じゃあ、毎日抱くって言っても怒らねえの?」
「怒る。だって、そんなの絶対守れないもん。」
毎日できるなんて、夢のよう。
だけど、今の陣平くんの忙しさ的に一緒に住んでもきっと会えない日は出てくる。
期待しないでおきたい。
期待したらその分、寂しくなっちゃうから。