第27章 2ヶ月分の大好き ☆
松田side
駅前でミコトと落ち合った時、俺の胸に飛びついて来ようとしたミコトを咄嗟に静止した。
ミコトは少し傷ついたような顔をしたが、仕方ねぇ。
ここでミコトを抱きしめたらもう止まらなくなると自分でわかっていたからだ。
外はマズイ。
なぜなら、この間夜の公園でミコトに触れた時、したいのに出来なくてものすごくモヤモヤムラムラしたから。
早く帰ろうぜ。なんて言って、久しぶりに会えた彼女を抱くことしか頭にない俺は、最低か?
本当なら、遊園地やショッピングなんかにデートに連れて行ってやって、なかなか会えなくてごめんとメシでも奢ってやるべきなんだろうが、そんな余裕は俺にはなかった。
早く触れたい。
早く、ミコトの一番近くに行きたい。
俺の脳内にあったのはただそれだけだ。
2人で今日あった出来事の何気ない話をしながらアパートの前に到着した。
もうすぐ、もうすぐ家だ。と、はやる気持ちを抑えて階段を上がっている時、ミコトがぽつりと呟いた。
「陣平くんは、会えなくても平気だった?」
「は?」
何で?
平気だったわけねぇだろ?
平気じゃないから、なりふり構わず一緒に住もうと提案したぐらいだ。