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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第26章 幸せな提案




松田side


それから数日後、ようやく配属されてからずっと追っていた事件の犯人を検挙した。

取り調べの後送検の処理も終わり、長い戦いが終わった気分だ。

捜査一課は爆処とは真逆だ。

爆処は、爆弾が爆発する数分が勝負。
それに対して捜査一課は何日も、何ヶ月も、下手すれば何年もかけてひとつの事件を追う。


俺は、ただ萩原の事件だけ追っていたいのに、そうは行かねえみたいだ。

やって行ける気がしねぇ…


はあ…とため息をつきながら、俺は屋上にタバコを吸いに出た。

一課に来てから、タバコの本数は2倍に増えた俺。
そのうち、ミコトに臭いって言われそうだ。


「陣平くん、くさーい!」


ミコトに言われるところを想像するとゾッとして、俺は思わず半分しか吸っていないタバコを灰皿で消した。


その時、屋上の扉が開く。


「ここにいたの」

「あぁ、あんたか。」


立っていたのは佐藤美和子。
俺を探していたのか、やっと見つけた。という顔をして俺の隣に来た。


「これ、初検挙祝い」


そう言って俺に缶コーヒーを手渡してくる。


「どーも。」


それを受け取り、プルタブを片手で開けながら佐藤を見ると、疲れた顔ひとつ見せず、平然とコーヒーを飲んでいる。


この女、このブラック捜査一課でよくやってるよ…


「あんた、タフだねぇ」

「え?」

「俺はすでにクタクタ。
これからずっと、この鬼のように忙しい日が続くのかって思うと吐き気するぜ…」

「そうね。一課はあり得ないほど忙しいわね。
ベッドで眠れない日もたくさんあるし、朝から夜までずっと足を使って捜査。
…でもね。被害者のことを考えると、立ち止まってなんかいられないの。」



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