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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第26章 幸せな提案




時刻は深夜2時
優等生のわたしは、この時間に家を抜け出すなんて初めてだった。


「じゃあ、非番の日わかったら連絡するわ」

「うん。待ってる」


もうタイムリミットなのに、わたしも陣平くんもお互いの手を放そうとしない。


「…陣平くん、行かなくて良いの?」

「いや。行くよ。
…行くけど。」


陣平くんも、わたしと同じで離れたくないと思ってくれてるのかな?
そう思うと愛しくて、顔が緩んでしまう。


「お前が先に手放せよ」

「えー。やだ。
陣平くんが放して」

「お前が先」

「やだ」


そんな無駄な言い合いをしていると、陣平が片眉を下げて笑う。


「キリねぇよこれじゃ。」


そう言って陣平くんから手を放した。
不意に放された手。
夏なのにおかしい。
陣平くんの手が離れた瞬間、肌寒く感じる。


「じゃあな。また連絡するわ。」

「うん。陣平くんがあの角曲がるまで見てる」

「ダメだ。早く家に入れ。
お前が家に入らないと俺は行かない」


そう言われ、仕事中の陣平くんをこれ以上拘束しておくことはできず、わたしは渋々家のドアに手をかけた。


「じゃあまたね?」


そう言って家に入ろうとした瞬間、陣平くんがわたしの手を手前に引いた。




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