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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第26章 幸せな提案




「一緒に住もう」

そう言われた時、わたしは意味を理解するのに10秒はかかった。

だって、まさかそんな嬉しすぎることを陣平くんの口から聞ける日が来るなんて、想像すらしてなかったの。


「…もう1時間か…」


携帯の時刻を見た陣平くんは名残惜しそうにわたしから身体を離した。

さっきまでくっついていたのに、突然ぬくもりが離れて、無性に寂しくなる。


「早すぎる…」


そう呟いて、わたしも仕方なくベンチから立ち上がった。


「じゃ、帰るか。
家の前まで送る」


そう言う陣平くんは、わたしの手を引いて歩き出した。
大きな掌で、わたしの手は丸ごと包まれてる。

陣平くんとの同棲スタートが楽しみすぎて、わたしはワクワクが抑えきれないと言う様子で彼に語りかけた。


「ねぇ、新しいおうち、どの辺りにする?」

「気が早えな。」


ハハッと笑いながらわたしの頭をくしゃくしゃと撫でた陣平くん。

当たり前だよ。一分一秒でも早く、一緒に住みたいもん。
気が早いってことは、まだしばらくは休み取れないってことかな?

そう思ってると、陣平くんが話を広げてくれた。


「最寄駅は今と同じで良いかな。
お前の大学にも、本庁にもアクセス良いし。
治安もまあそこそこ良い。」

「でも人気エリアだから家賃高そう…」

「そこは心配すんなよ。
…俺は家に帰れねぇことも多いと思うから、お前の安全が最優先課題。
オートロックは必須だ。あと、家の周りも出来るだけ街灯が明るい場所がいいな。」

「なんか、大事にされてる気がする!」

「気がするんじゃなくて、大事にしてんだよお前のこと。
自分で言うのも変な話だけどな」


そんな話をしていたら、いつの間にか萩原家の前に到着していた。

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