第26章 幸せな提案
そして同時に思う。
次はいつ会えるんだ?
今日一緒にいられるのはたった1時間だ。
もうあと30分しかねぇ。
ミコトと一緒にいると、時が過ぎるのが一瞬だ。
今日ミコトを家まで送り届けたあとは、また1ヶ月会えないのか?
もっと一緒に。
もっと、もっと…ミコトと一緒にいたい。
毎日、ミコトをそばで感じていたい。
毎日、ミコトの顔が見たい。
「ミコト。」
「ん…?」
「一緒に住もう」
俺から咄嗟に出た言葉は、それだった。
ミコトは目を丸くして顔を上げ、俺の目を見た。
「今なんて…?」
「二人で部屋を借りて、一緒に住もうぜ。
…そうすれば俺の帰りが深夜になっても、眠ってるお前を抱きしめることができる。
朝、お前が目を覚ました時、隣で寝てる俺を眺めることができる。」
「…陣平くんのマヌケな寝顔を?」
珍しくこんな真剣な話をしていると言うのに、冗談を言うミコトに、俺は呆れた顔して笑った。
「マヌケって言うなよ。
…返事は?OKなら今度非番の日、お前の両親に挨拶に行く。」
「そんなの、OKに決まってるでしょ?」
「約束な」
そう言って、ミコトの唇にキスをした。
1ヶ月ぶりのミコトとのキス。
そのキスをしているとき、思ったんだ。
あぁ。俺、幸せすぎてヤベェ。
って。