• テキストサイズ

【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第25章 2年も早い異動




早速、俺の席を用意して指を指した。


「松田くんの席はここ」

「どうも」


自席に案内されぶっきらぼうに腰掛けると、俺の指導係に任命された佐藤美和子が俺を睨みながら言う。


「あなたねぇ。
私、一応先輩なんだけど」

「…歳は?」

「え…23だけど」

「なら、俺の方が警察官としては1年先輩だな」


そんな屁理屈を言って敬語すら使おうとしない俺を、佐藤はまたジロ…と睨んだ。

その時、デスクに置いてあった電話がプルルルと鳴った。


「電話、鳴ってるわよ」

「あぁ。俺、電話出るの嫌いだから」

「っもう!」


あまりやりすぎたらゲンコツで殴ってきそうだなこの女。
少しだけ、千速に似ている気がした。
見た目とかじゃなく、中身が。

佐藤は痺れを切らし、自らその受話器を上げた。


「はい。警視庁捜査一課。
…はい…え?殺人事件?
わかりました。向かいます」


そう言って電話を切った後、まだ配属されたばかりの俺の腕を掴んで佐藤が言った。


「ほら!米花ショッピングモールで殺人事件!
急行するわよ!」

「いきなりかよ…」


俺はもう既に捜査一課強行犯係の人間みたいだ。
佐藤に腕を引っ張られるがまま、初めての殺人事件の捜査へと駆り出された。



/ 916ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp