第25章 2年も早い異動
いや、こっちの方が「は?」だから!
と心の中でツッコミを入れながらも、俺はミコトの涙を指で拭いながら言う。
「やっと、異動希望が通ったんだよ。
と言っても、一番志望してた特殊犯係は蹴られて、なぜか強行犯係。
まぁでも一課には変わりねぇから一歩前進って思うべきなのかもな。」
「…話って、それだけ?」
「何だよ。それだけって。」
「だって!!電話じゃなくてわざわざ会って話したいって言うから!!」
「一課に異動すると、もっと不規則な勤務体系になるから、今までみたいに簡単に会えなくなるって説明したかったんだよ」
そう言うと、ミコトはようやく自分の勘違いを理解し始めたのか、俺の腕をポカポカと殴り出す。
「もお!紛らわしいの!
てっきり、別れ話かプロポーズかと思って、感情がジェットコースターだったんだから!」
「…なぜその2択…」
「友達が、大事な話って絶対プロポーズじゃんって…
でも別の友達が、いや別れ話でしょ。って…
その2択なら別れ話の方が有力かなと思っててっきり…」
「その2択ならプロポーズの方が有力だろ。
2択思いっきり外してんじゃねぇよ」
「…え?」
は。
また余計なことを口走った。