第25章 2年も早い異動
「こんなに陣平くんのこと好きにさせておいて、今振るなんてひどい…」
「??え?は?」
「わたしのこと、世界一好きって言ったじゃん…
わたしも、陣平くんのこと世界一好きなのに」
は、話が見えねぇ!!
ミコトは日本語を話しているはずなのに、1ミリも理解できねぇ!!
頭の中はプチパニック状態だ。
そんな大混乱中の俺をよそに、ミコトの瞳からは大粒の涙がぽろぽろこぼれ落ちる。
「陣平くんのこと、ほんとに好きなの…
大好きなのに…」
うえぇ…と、子供みたいな泣き方で俺を見つめてくるミコトが可愛くて、俺は訳もわからず、ただ可愛いと言う感情だけでミコトの唇にキスをした。
「っん…」
ついでに、ミコトを泣き止ませるには一番有効な方法だと思ったからだ。
しかし、ミコトは俺の身体をグイッと押して離すと、また泣きながら意味不明なことを言い出す。
「ひどいよ!…別れ話する癖に、キスするの?」
「??お前、さっきから一体何の話をしてんだ」
「とぼけなくていいよ…
電話じゃなくて会って話したいって、わたしと別れたいって言うつもりなんでしょ?
最後だからって電話じゃなくて…
「待て待て、俺は捜査一課に異動になったことを話そうと思ってたんだよ!」
「………は?」
今度はミコトが、ぽかん。と言う顔をして「は?」と言う。