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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第25章 2年も早い異動




今日は学部の女の子たちと女子会だ。
今女子大生の間で話題のお洒落なダイニングレストラン。

お肉料理と赤ワインが運び込まれたまさにその時だった。


「ねぇ知ってる?
彼女にしたくない女ナンバーワン
女医なんだってー!」


目の前の女の子がそう言いながら、ワインを一気飲みするのを、わたしはうんうんと頷きながら見てた。


女の医者は、ほんっとうにモテない。
それはわたしが証明済だ。

まず会話をすると、どうにも高飛車に見える。
こちらは全くそんなつもりがない謙遜が、なぜか相手に嫌味にすら聞こえてしまう。

大学病院に勤務する医師は、毎日山のようにやってくる患者の対応に追われ、クリスマスやお正月などのイベントとは無縁だ。
年頃の娘がする香水はできず、身体に染み付くのは消毒液の匂い。

そんな女の子が、普通の男性にモテるはずがない。

実際、合コンに行っても「医者」とは言わずにあえて「医療従事者」と濁す女医も多い。


わたしも、陣平くんが亡くなってから新出くんに告白されるまで、一度も男性といい感じになることはなかったし、アプローチされたこともなかった。


「やっぱり医者は医者同士結婚するしかないのかなー。
合コン行っても、医者の卵ですーって言ったら大抵の男は逃げていくし」


隣でアユがナッツをつまみながら不満げに言う。
わたしも笑いながらそれに同意した。


「実際、医者同士で結婚してる人多いもんね。」

「そんなこと言ってー、ミコトは陣平さんがいるでしょ?」

「え!?」

「結婚の話とかしないの?」


唐突に言い出したアユの発言に、その場にいた女の子全員がわたしを見た。
医学部学生といえども、華の女子大生。

医学書の話なんかより、恋の話のほうがよっぽど盛り上がる。


「聞きたい聞きたい!」

「しっ!しないよ!
まだ学生だし付き合って1年しか経ってないし!
考えたこともなかったよ!」

「じゃあ、もし今プロポーズされたら、断るの?」

「そりゃあ……もちろん、陣平くんと結婚できるなら喜んでOKするけど…」


でも、陣平くんって結婚とか一切考えて無さそうじゃない?
仕事第一って感じだし、お兄ちゃんの事件が解決するまではきっとそういう話はないよね…?



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