第24章 風邪引き彼氏 ☆
シャワーから出て髪を乾かし、陣平くんが眠るワンルームに戻ると、ベッドの上の陣平くんはさっきよりも少し苦しそうにしていた。
「陣平くん、大丈夫…?」
そう言って額に手を乗せると、倒れた彼を発見した時ほどではないが、額が熱い。
「水飲む?」
「…いや、いい。」
「今日はもう電気消して寝よっか?
明るいと寝付けないだろうし…
わたし、今日は床で寝るから」
本当は一緒に寝たいけど、狭いベッドで2人寝たらさすがにゆっくり休めないよね…
陣平くんの体調を考えたら仕方ない。
まだ21時だけれど、リモコンで電気を落とし、わたしは床で寝ようと枕がわりのクッションをセットした時、陣平くんがわたしの腕を掴んだ。
「ミコト…」
「?どうしたの?」
「添い寝してくれ」
はぁ…はぁ…と辛そうに荒い息を吐きながら、わたしをじっと見つめてそんなおねだりをしてくる陣平くん。
わたしの心はいとも簡単にぶち抜かれた。
「陣平くん可愛すぎる…」
はぁあ…と幸せのため息を吐きながら、わたしは陣平くんに言われるがまま、彼が眠るベッドに一緒に入った。
そして、彼の癖のある髪を撫で撫でと撫でると、陣平くんは不服そうな顔をしてわたしを見た。
「…子供扱いしてねぇか?
ミコトのくせに」
「陣平ちゃんが可愛いのがいけないの」
本心から出たその言葉を、陣平くんは気に入らなかったらしい。
「ふぅん。
俺に可愛さなんてないってこと、分からせてやるよ」
そう言うと、陣平くんはわたしの身体をぎゅっと抱きしめた。
「っ…あ、…陣平くん、身体熱いよ?」
抱きしめられると体温が溶け合うとよく言うけど、今の陣平くんの体温は触れるだけで熱いと思ってしまうほどだ。
けれど陣平くんは、問答無用でわたしの部屋着を捲り上げた。
「えっ…?や…」
突然陣平くんに服を捲られ、自分の下着姿が陣平くんの瞳に映った。