第24章 風邪引き彼氏 ☆
松田side
ミコトが作った粥を食べると、途端に元気になった自分が怖い。
ついさっきまで、死にそうなぐらい身体が怠くて、頭痛も吐き気も凄まじかったのに、それは満腹になると同時にピタリと止んだ。
こいつ、なんかやべえ薬でも入れたんじゃねえだろうな…
そう思いながらミコトを見つめた。
今日も相変わらず、可愛い。俺の彼女。
本人には言わないけど。
俺の視線に気付いたミコトは、また心配そうに俺の額に手を当てて言う。
「熱下がった?
…ちょっとマシになったかな?」
「…マシになってない」
嘘だ。
確かにまだ熱っぽいが、明らかにさっきよりは体調はマシになっている。
けれど俺は、ここで治ったと言ったらミコトが心配してくれなくなるんじゃないか。とズルい事を考え、咄嗟にまだ病人のフリをした。
「じゃあ寝てないとね。
わたし、これ片付けてくるから」
そう言って、俺が食べ終わったお椀やコップをトレーに乗せて立ち上がろうとするミコトを咄嗟に呼び止めた。
「ミコト」
「なに?」
「…すぐ、戻ってくるか?」
「これ洗ったらね。
その後、陣平くんの身体拭いてあげるから待ってて?」
俺は渋々、わかった。と言い、またベッドの中へと潜り込んだ。