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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第24章 風邪引き彼氏 ☆




寝てるかな?と覗いてみると、陣平くんの目がゆっくりと開いた。


「…萩原」

「え?なんで苗字呼び捨て?」


突然、萩原と呼ばれたわたしは首を傾げて陣平くんを見る。
すると陣平くんは、はぁ…とため息を吐きながら言った。


「や。悪い。
萩に見えたから…焦った」

「お、お兄ちゃん!?」

「お前の目元、萩にそっくりだな。
ちょっとタレ目なとこが」


はは…と笑いながらわたしの頬に手を伸ばすと、わたしの頬を撫でながらじっと見つめてくる陣平くん。


「もう…お兄ちゃんと間違われるなんて、ちょっとヤダ」

「そんな事言うと、天国の兄ちゃん泣くぞ」


そんなやり取りが出来るぐらいには、体調はマシになったようだ。
ホッと安心しながら、ベッドサイドのテーブルにトレーを置いた。


「お粥作ったの。食べられる?」

「ん。腹減った…」


そう言うも、陣平くんはお粥が入った器にも、備え付けてあるれんげにも手を伸ばそうとしない。


「後で食べる?」


お腹は空いているけど、食欲は無いのかな…?と思い、そう聞くと陣平くんは、む…とわたしを見つめながら不服そうに言う。


「食べさせてくれるんじゃねえの?」


少し拗ねたようなその顔が可愛すぎて、わたしの胸はきゅうんと高鳴る。


「食べさせてほしいの?」


わたしは、ニコニコと微笑みながら、まるで子供に尋ねるような声で陣平くんに聞いた。

弱っている彼にこんな意地悪するなんてと思う反面、こんな可愛い陣平くんは今日を逃すと当分見られない気がする。

陣平くんは、むーーっと口をへの字に曲げた後、これまでより更に不服そうに言った。


「…食べさせてほしい」

「アーンしてほしいの?」

「………っ…やっぱいい。いらね」


一瞬、アーンしてほしいと返事が返ってくるかと思いきや、陣平くんは悩んだ挙げ句羞恥心が勝ったらしい。


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