第23章 喧嘩のとある日 ☆
陣平くんはずるい。
わたしが「わたしのこと好き?」って聞かなきゃなかなか言ってくれないくせに。
あぁ。わたし陣平くんのこと大好きだ…と思った瞬間、はかったように好きだと甘い言葉を何度もこぼす。
今だってそう。
陣平くんがナカに入ってきた瞬間、なんだかんだ言っても陣平くんのことが愛しい…と思ったら、わたしのこと好きだと何度も言ってくれた。
こうして、わたしの心はいつどんな時でも陣平くんに落ちていく。
だから、ずるい。
「じんぺ…く…
陣平くん…好き…大好き…」
「っ…その声やめろ…腰にくる…」
ふと陣平くんを見ると、いつもよりも少し余裕がなさそうに眉を歪ませて腰を夢中で振ってた。
気持ちいいって思ってくれてるんだね…
そう思うと、嬉しくて、わたしは陣平くんにしがみつきながら耳元で囁いた。
「好きだよ…陣平くん、大好き」
「っ…ミコト…悪い、もう我慢できねぇ」
「っん…あ…今日は外に出して…」
「引き抜く余裕なんか、ねえって」
「だって…いいの?もしもがあったら」
「そんときは、お前の苗字が松田になるだけだろ?」
その言葉を聞いて、わたしの目から涙がこぼれた。
本当?
そんな未来があると、信じてもいい?
わたしが何度も何度も思い描いて夢見た、陣平くんと陣平くんの子供と、3人で生きる夢。
その夢は、そのうち現実になってもおかしくないと、思っていてもいい?
「何泣いてんだよ」
「っ…陣平くんっ…好きぃ…」
「バァカ…俺の方がもっと好きだ」
その言葉を聞いて、わたしはあっさりと高みに連れて行かれた。
そして、陣平くん同時に身体を震わせて、引き抜くことなくナカに白濁の液を射精した。
「っ…ほんとに、中に出した…」
「…悪い。マジで余裕無かったわ…」
「もし、赤ちゃん出来たら…」
「そんときは、研二って名前にしようぜ」
「や!やだよ!!何でお兄ちゃんと同じ名前?!」
「冗談だよ。俺だってやだよ」
「それはそれで、お兄ちゃん傷ついてそう。」
繋がったまま、そんな言い合いをしたわたしたちは目を見合わせて笑った。
「これで、仲直りってことでいいか?」
「…仕方ないから、許してあげる」
そして、陣平くんはまたわたしにキスをした。