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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第23章 喧嘩のとある日 ☆




そんなふうに黙る俺を見て、千速がまた俺を睨んだ。


「…まさかテメェ浮気したのか?!」

「するわけねぇだろ!
…今日眠すぎてデートドタキャンしたんだよ。
けどミコトがギャーギャーワガママ言うからつい苛ついて言い過ぎたんだ。」


言い過ぎたと認めると、千速ははぁっとため息を吐きながら真剣な顔をして俺を見た。


「…陣平。
あんた、ミコトが陣平とのデートの前、家でどんな風に過ごしてるか考えたことあるか?」

「あー?」

「着て行く服を選ぶのに1時間。
当日は朝早く起きて、シャワーを浴びて顔のパックまでして、メイクに何分もかけて、遅刻しないように予定より少し早めに家を出る。
それも、終始楽しそうに、鼻歌歌いながら。」

「…」

「ミコトが陣平とのデートを毎回どれだけ楽しみにしてるか、ちょっとは考えてやってくれよ」


そんなこと、誰よりも知ってるはずだった。

ミコトと待ち合わせをするとき、俺を見つけると幸せそうに笑う。
今日だって、待ち合わせに現れない俺をわざわざ家まで迎えに来たんだ。
もしミコトが俺の立場なら、そもそも待ち合わせに現れない時点で怒って帰るのに。

腕時計を確認すると映画がちょうど終わった頃だ。


「ちっ…しょうがねえな」


そうポツリと零した俺は、入ってきたコンビニのドアから外に飛び出し、部屋着のまま駅に向かって走り出した。




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