第23章 喧嘩のとある日 ☆
せっかくオシャレしたし休日を一人で楽しんでやるわよ!!
謎の対抗心でそんなことを思いながら、わたしは映画館が併設されているショッピングモールにやってきた。
日曜日のショッピングモールはカップルや家族連れで賑わっていて、ランチタイムに入ったお店ではおひとりさまはわたしだけだった。
「いいもん。
一人でも楽しいもん」
独り言ですら虚勢を張って、賑わう周りの会話を盗み聞きしながらひとりランチ。
はあ…本当ならこのオムライスだって、陣平くんと一緒に美味しいねって言いながら食べる予定だったのにな…
美味しいご飯を食べているはずなのに、一人だと美味しさも半減。
ものすごく寂しいランチタイムを過ごしてしまった。
そして、チケットを無駄にするのは勿体無いと思ったわたしは、一人で映画館にやって来た。
日曜日の夕方ということもあり、周りはカップルばかり。
本当ならわたしもあんな風に手を繋いでここにいたはずなのにな…
久しぶりのデートだったのに…
昨日の夜から、パックしたり顔マッサージしたり、入念に準備を重ね、今日も早起きして着る服をああでもないこうでもないって悩みまくり、奇しくも万全のフル装備のわたし。
こんなにおしゃれして、一人で映画なんて馬鹿みたい。
そう思いながら映画館のベンチに座って、シアターが開くのを待っていると、誰かがわたしの名前を呼んだ。