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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第22章 ゲレンデに溶ける恋 ☆




「おい」


そう声をかけ、わたしの腕を握る男の手を振り払い、わたしの背中の後ろに隠したのは、大好きな陣平くん。


「俺の彼女に触んなよ」

「んだよ。男いるならそう言えよ」

「行こうぜ」


どうやらただ一緒に遊ぶ女の子を捕まえたかっただけらしい。
その男たちは陣平くんを見ると、あっさりとわたしから興味を外し、撤退して行った。


「陣平くんー!かっこいい!!」


呑気にそう言いながら陣平くんに抱きつくわたしを、呆れた顔をして睨んだ。


「こンのバカ!!!」


陣平くんの怒号がわたしの耳をキーーンと鳴らし、わたしは思わず耳を塞いだ。


「かっこいいって褒めたのに!」

「ああ言うのは最初から返事せずに無視しろ!
…無防備なんだよ…お前は」

「…でも、陣平くんが助けてくれるでしょ?」


さも当然。と笑うわたしを見て陣平くんが深いため息を吐いた。


「はあ…いや、そうだけどよぉ…
少しは危機感ってヤツを覚えてくれ…」

「わかったよ…そんなに怒らないで?
助けてくれてありがとう。
怒るのやめて一緒にスノボ楽しもう?」


ね?と陣平くんの顔を覗き込むと、陣平くんはわたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。


「その顔、卑怯だって」

「その顔ってどれ?!」

「あー。もう、いい。
行くぞ、ボード教えてやるから」


わたしの疑問の答えは与えてくれず、陣平くんはわたしの手を引いた。

そしてわたしたちは、ホテルの出入り口からゲレンデへと足を運んで行った。


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