第22章 ゲレンデに溶ける恋 ☆
時間が過ぎるのはあっという間で、旅行当日がやってきた。
宿泊するホテルはスキー場に併設されているため、まずは荷物を置いて着替えるためにホテルのチェックインを済ませる必要がある。
「俺、チェックインしてくっから、ここ座って待ってろ」
「はい!」
元気よく返事をして陣平くんを見送ると、わたしの携帯が鳴った。
画面にはアユからのメールが表示されている。
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ちゃんと甘い夜を過ごすんだぞ!
良いお年を!
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「もう…アユ…」
はは…と笑いながらそのメールを返そうとした時、とんとんと後ろから肩を叩かれた。
陣平くん?
と、大好きな彼だと思いパッと振り返るとそこにいたのは知らない男の人2人組。
だれ?!
そう思って目を丸くしていると、わたしの両端に一人ずつ腰を下ろした。
「キミ、ひとり?
もしかして友達も一緒だったりする?」
「可愛いから、つい声かけちゃったよ」
「ひとりじゃないです。」
ふいっとそっぽを向いてそう答えると、その人たちはめげずに食い下がってくる。
「へぇ?じゃあ友達も呼んで俺らと遊ばない?
キミの友達も、可愛いんだろ?」
「遊びません」
「ね、じゃあせめてお茶だけでも。な?行こ?」
そう言ってわたしの手を取って強引に連れ出そうとするナンパ男たち。
「ちょっと!やだ。やめて」
「いいから、行こ?」
この人たち、年末年始にスキー場に何しに来てるのー!とツッコミながらも引っ張られる腕を振って抵抗していると