第22章 ゲレンデに溶ける恋 ☆
今年最後の大学の授業が終わった日、アユと一緒にショッピングモールに来た。
「これ、可愛いじゃん」
「ほんとだー!」
アユが指差したのは、カーキの上着に白のパンツのウェア
インナーにグレーのパーカー
「これに、白のニット帽合わせたら可愛いよ」
「それにする!」
おしゃれ番長、アユの言う事だ。間違いない。
絶大な信頼を寄せるわたしは、言われるがままアユがチョイスしたウェアを買った。
「全部揃えると結構高いよね…」
お会計を終え、貯めていたお小遣いを使い果たしたわたしは、寂しくなった財布を見てため息をつく。
「旅行は陣平さんが出してくれるの?」
「うん、冬のボーナス入ったから任せろって」
「愛されてるねぇー」
「うち、実家もお金に余裕ないからバイトしたいんだけど、陣平くんに会えなくなるの嫌だしな…」
「まあ確かに、ただでさえ授業に試験にレポートに、忙しいからね。うちらの学部は。
まあでもウェア買えたしよかったじゃん。
お茶でもして帰ろうよ。」
「うん!コーヒー一杯ならお礼にご馳走できるよ!」
そう言いながら、ショッピングモールの一階にあるスタバに向かおうとした時、近くにあったランジェリーショップの前でアユが立ち止まった。
「ミコト!勝負下着は持ってかないの?」
「しょ、勝負下着?!
何の勝負をするのよ!」
もう初体験は終わったし、なんなら何度もそういうことしてるから、今更勝負もなにも…