第21章 酔っ払った萩原妹 ☆
翌朝
朝の光が部屋に差し込んできて、わたしは眩しくて目を覚ました。
「ん…」
目を開けると、見慣れた天井が見える。
そして鼻からはわたしの一番好きな匂いがふわりと香った。
ここ、陣平くんの家だ!
瞬時にそう理解したわたしは、ハッと身体を起こす。
すると、キーーーンと頭の奥が痛んだ。
症状としては、完全なる二日酔いだ。
「頭いたぁ…」
そして、隣を見ると陣平くんがすやすやと寝息を立てて寝ている。
その寝顔が可愛くて、思わずほっぺをツンと突くと、陣平くんの目がぱち…と開いた。
「あ、起こした?」
「起きた…ねみい…」
「ごめん…陣平くんがすやすや寝てるのが子供みたいで可愛くって…」
えへへ。と笑うと、陣平くんはわたしを呆れた目で見ながら言う。
「子供じゃねぇことは、お前が一番知ってんだろ…
昨日あんな…」
ブツブツと何か言いたげな陣平くんだが、わたしは最後まで聞き取れなかった。
「なに?昨日?何かあったっけ?」
首を傾げるわたしを見て、陣平くんは信じられないと言わんばかりに目を見開く。
「…は?まさかお前、昨日のこと覚えてねぇの?」
「昨日のこと?
…そういえば、なんでわたし陣平くんの家にいるの?
アユが送ってくれたのかな?」
わたしの記憶は、バルでアユにお薦めされたお酒をたくさん飲んでて…そこから記憶がない。
アユが連れて帰ってくれたのだと思いきや、陣平くんの反応で違うとわかる。