第21章 酔っ払った萩原妹 ☆
松田side
「ふぁあぁあ〜ねみぃ…」
昨日夕方から夜勤を経て、そのまま今日一日ぶっ続けで働き、只今夜の22時。
よく考えると24時間以上起きていることになると、今更気づいた。
ブラックな仕事だな。警察官ってやつは…
長時間勤務を終え、ようやく家路についた俺は自宅アパートに着いた途端、でっかいあくびが出た。
もうすぐ。
この階段をあと数段上がれば、家だ。
今日はもうそのまま寝てやる。
部屋の片付けも、洗濯物もシャワーすら全部明日でいいや。ミコトも今日は来ねえし、明日は休みだしな。
今にも眠っちまいそうな頭を必死に起こして、俺は一段、また一段と階段を登っていく。
そして部屋の前に着き、自宅に帰ると一目散にベッドに向かい、ドサッと身体をベッドに投げ捨てた。
「あー…疲れた…」
俺の身体を包んでくれる布団が気持ち良過ぎる…
このまま寝よう。もう一歩も動けねぇ。
電気消す気力すらねぇ。
風呂も入らずに寝ようとする自分自身を正当化しながら、ゆっくりと瞼を閉じたそのとき
ピリリリリリ
突如として俺の携帯が鳴る。
「っ誰だよ…俺は眠いんだよ…」
寝られると思った瞬間起こされたことで、不機嫌がマックスになる俺。
まさか、緊急招集じゃねぇだろうな…
いやありうる。
警察官は非番の日でさえ、呼ばれればすぐに飛んで行かなければいけない。
せめてベッドに倒れる前にかけて来てくれよ…
すでに身体は休みモードに入っていて、脳だけがまだ起きている。そんな状態の俺。
電話に気付かなかったフリしてシカトするか…
いや、でもそれが原因で爆弾の解除が出来ず、また同僚が殉職するなんて未来は寝覚が悪すぎる。