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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第21章 酔っ払った萩原妹 ☆




お兄ちゃんの命日が過ぎてしばらくすると、街はクリスマスの飾り付けに彩られ、忘年会のシーズンがやってきた。

今日は学部の仲良しメンバーが集まり、最寄駅近くの肉バルで忘年会だ。


「今年も一年、授業に解剖に試験に単位、色々とお疲れ様でしたー!!
かんぱーい!!」


アユの乾杯の音頭で生ジョッキがいくつも重なり、カンッといい音がした。


そして、みんな一気にジョッキに入った生ビールをゴクゴクと喉に入れていく。


「っはー!うんま!」


ビールの泡を口につけたまま、至福のひと時を楽しむわたし。
この可愛さのかけらもない姿は陣平くんにはとても見せられない。

隣で見ていた新出くんが、呆れたように笑いながらわたしの口元についた泡を拭った。


「萩原さん、意外と豪快にお酒飲むんだね」

「そっか!新出くんと飲むの初めてだもんね?」


タイムスリップする前のわたしは、よく新出くんと飲みに行ってたから、うっかりボロが出ないようにしないとな…

そう心に留めてまたビールを口に運んだ時、


「ねぇミコト!これも飲んで見なよー!美味しいよ?」


と、お酒大好きなアユは見た目はアイスティーに見えるお酒をわたしに手渡してきた。


「なにこれ?」

「ロングアイランドアイスティー!
紅茶みたいでゴクゴク飲めるよー」


そう言われ、一口口に運ぶと本当に紅茶の味がする。


「ほんとだ!」


飲みやすいそのお酒、中身はウォッカベースのかなり度数の高いものだったようだ。

けれどわたしはそのことに全く気付かずに、飲みやすいのをいいことにどんどん飲み進めていく。


これほんとに美味しい…!!
と、場の雰囲気にも飲まれ、そのお酒を3杯飲み干したところでゆっくり視界が揺れた。


「あ…れ」


目の前がぼやけ、気づけばわたしはテーブルの上に突っ伏して倒れた。
そして遠くの方でわたしの名前を呼ぶ声が聞こえる。


「ミコト?ミコトー!」


アユが呼んでるーと思ったのを最後に、わたしは気づくと意識を手放していた。




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