第20章 兄が愛した人 ☆
そしてナカに刺さってるモノがぴくぴくと脈打つたび、わたしのナカに白濁の液が射精された。
「っぁ…陣平く…」
「ミコト…好きだ。
…お前は、どこにも行くなよ…?」
そう溢した陣平くんは、わたしの身体を強く強く抱きしめた。
お前はどこにも行くな
その言葉を聞いて、思った。
きっと陣平くんもわたしと同じだ。
全然吹っ切れてない、お兄ちゃんのこと。
平然としているように見えて、まだ深い悲しみの中にいる。
「どこにも行かない…」
わたしはそう言って陣平くんの身体に抱きついた。
同じだね、わたしたち。
わたしたちはぎゅっと抱きしめ合った。
お互いの身体が消えてしまわないように。