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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第3章 死ぬということ




お風呂から出ると髪を乾かし、お兄ちゃんのダブルベッドに2人並んだ。


「こんな風にお前と一緒のベッドで眠るの、いつぶりだろうな」


「さぁー。小学生の頃ですらしなかったよ。
幼稚園の時以来じゃない?」


「もうそんなになるか…
ミコトも、もう大学生だもんな。
しかも、東都大医学部。
にいちゃん、鼻が高いよ」

「医学部出ても医者になれるとは限らないよ。
正直解剖とか全然やりたくないし、途中で向いてないって思うかもね」


あははと笑いながら寝返りを打つと、お兄ちゃんのいつに無く真剣な瞳と目が合う。


「医学部に合格できるほど努力したお前なら、1番欲しいものも手に入れられるはずだ。」

「1番、ほしいもの…」

「諦めんなよ。陣平ちゃんのこと」


そう言いながら、お兄ちゃんはわたしの髪を撫でた。


「…陣平くんは、わたしなんて興味ないよ」

「わたしなんてとか言うなよ。
お前は、俺にとって世界で一番可愛い妹だ」


お兄ちゃんだって、世界で一番自慢の兄だよ

そう言えばよかったのに、わたしは思わずぷいっとそっぽを向いた。


「可愛いとか、シスコンっぽいからやめてよね」


何気なく選択したこの二択

わたしはちゃんと、正しい方を選択すべきだった。
お兄ちゃんのこと自慢だよって言うべきだった。

この時のわたしは少しも思ってなかった。

この、素直になれなかった結果が、後になって一生後悔することになるということ。


この日が、お兄ちゃんと同じベッドで眠った最後の夜になった。



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