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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第20章 兄が愛した人 ☆




きっと陣平くんの中でも再度固く決心した瞬間だったんだろう。


「だから、お前は何も心配すんな。」

「っ…ふふ。陣平くん、お兄ちゃんみたい」

「バァーカ。俺はお前の彼氏だって。」


頭を撫でながら、陣平くんは呆れたように笑った。


「…あの人、あのお兄ちゃんの彼女…
あの人には、いたのかな?
お兄ちゃんがいなくなってから、こうして抱きしめて支えてくれる人」

「…」

「わたしには陣平くんがいたけど、あの人はそれがお兄ちゃんだったはずなのに…
そう思うと…」


そこまで言ってまた涙で喉の奥が詰まった。


「お前なあ、他人の不幸まで背負ってたら身体もたねぇぞ?
それに、あいつは大丈夫だよ。
…萩が惚れた女なんだから」


そう言うと、陣平くんもお兄ちゃんを懐かしむように笑った。


「そっか…そうかも…」


陣平くんの言葉に妙に納得してしまったわたしは、ぎゅーっと陣平くんの身体に抱きついて、甘えんぼをする。


「じんぺーくん。キスして?」

「…して?って言われてからするの、恥ずかしいって」


そう言いながらも、陣平くんはわたしの顔を上げると、ゆっくり唇を重ねた。

ちゅ…とぎこちなく唇に触れるのが、彼らしくてきゅんと胸が高鳴った。


「っん…もっと。ほっぺにもして」

「ワガママなお姫様め」


ちゅっ… チュ…


陣平くんの唇が、わたしの唇、頬、おでこ、耳、そしてまた頬にキスを落とした。

くすぐったくて思わず身を捩ると、陣平くんはわたしの首筋に噛み付いた。


「んあっ…」

「っ…やべ…その声興奮すっからやめろ…」

「じんぺ…くんが、そんなところ噛むから…」


そう言うと、陣平くんはわたしの背中に手を回し、わたしが着ていたワンピースのホックを下ろした。


「エッチ…」

「エッチで悪いか?」


そう開き直った陣平くんは、わたしを抱き上げてベッドに下ろすと、ゆっくりと唇を重ねた。

何度も、角度を変えて触れるだけのキスが、だんだんと舌を使った濃厚なキスに変わっていく。


そしてそのまま、陣平くんの一番近くへとしがみついた。

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