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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第20章 兄が愛した人 ☆




じっとミコトの顔を観察していると、ぱち…とミコトの瞳が開いた。
そして、自分の顔を凝視する俺に気付いたミコトは、ん?と首を傾げながら笑った。


「なに?陣平くん。
わたしの顔、なんかついてる?」

「…ついてる。すっげぇーでかい毛虫が」

「うぇえ!??!」


そんな明らかに嘘だとわかる嘘を真に受けるミコトは、両手で自分の顔をペタペタと触った。


「っふ…嘘だって。
お前、騙されやすいにもほどがあんぞ」

「ひどいー!ねぇお兄ちゃんー!陣平くんがいつもこうやっていじめるの!」

「いや、萩。俺はミコトのことすっげぇ可愛がってんだよ」


まるで、そこに萩原がいるみたいに、俺たちは萩原に話しかけた。
きっと萩原がいたら、俺よりも真っ先にミコトの味方をするだろう。

そう思っていたら、ミコトが笑いながら口を開いた。


「陣平ちゃーん。俺の可愛い妹をいじめないでくれる?
…へへ。お兄ちゃんの真似」

「似てねぇな。
萩原はこんなに可愛くねぇよ」


そう言いながら、俺はミコトの頭をくしゃくしゃ撫でた。
そして、ミコトに手を差し出しながら言う。


「行くか。」

「うん」


ミコトは嬉しそうに俺の手を握った。


「じゃあな、萩原。
また来るから」


そして、俺たちは手を繋いだまま、萩原の墓を後にした。


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