第19章 ハッピーバースデー陣平くん ☆
陣平くんの誕生日の朝がやってきた。
今日は1限から3限まで授業。
授業終わりにスーパーに寄って、陣平くんの好きなカレーと、ハンバーグ、野菜スープを作って、ケーキも焼く!
それに、今日のわたしはメイクも完璧。
服も一番お気に入りのセットアップ。
髪は緩く巻いて、下着はこの間買ったレースの超可愛いやつ。
さらに、お風呂に入ってから抱かれることも想定してもう一着可愛い下着を持ってきた。
「完璧だ」
大学のトイレで自分を見ながらそう言うわたし。
若干ナルシストが入ってるのはお兄ちゃん譲りかもしれない。
そんなわたしを、アユは呆れた顔して言う。
「おうちでの誕生日会なのに、気合い入りすぎ」
「いいの!一番可愛いわたしでないとだめなの!」
「あらそう。
で?今からスーパーに寄って準備スタート?」
ちょうど3限目の授業が終わった今、時計を見ると予定通りの時間だ。
「うん!19時ぐらいに陣平くん帰ってくるから、それまでに!」
「まあ頑張って?
どうせ今日は寝かせてもらえないんだろうし、あんまり張り切りすぎて疲れないようにね♪」
「ねっ!寝かせてもらえるよ!?
…たぶん」
そうは言ったものの、わたしはものすごく期待してる。
お気に入りの下着を持ってきたぐらいだし。
用意周到すぎて自分でもヤバいって思うけど、陣平くんとするの、幸せすぎるんだもん…
幸せで、あったかくて、一番好きな時間なんだもん…
そう開き直りながらリップを直したわたしは、アユと別れてスーパーへと足速に向かった。