第19章 ハッピーバースデー陣平くん ☆
松田side
「陣平くん!わたし明日の夕方から陣平くんの家に行くね!」
夜、仕事が深夜に終わり、寝る前のミコトに電話をかけた時にすげぇテンションでそんなことを言い出した。
「良いけど、俺帰るの最短で19時とかだぜ?」
「いいの!待ってるから!!ふふっ」
明らかに上機嫌のミコト。
そして含みを持たせた笑い方。
なんだこいつ。
明日なんか楽しみなことでもあんのか?
そう思いながらふとカレンダーを見ると、ピンときた。
そっか。俺明日誕生日だわ。
ミコト中のハイテンションに辻褄が合う。
というか、こいつサプライズ下手くそすぎるだろ…
そう思いながらも、気付いていないフリをしてやる優しい俺。
「あー。じゃあ、なるべく早く帰るわ。」
「うん!残業禁止ね?!
明日はそのまま陣平くんとこ泊まって、次の日陣平くんちから授業に行くんだ〜
楽しみ!」
「あっそう…
なら、今日はもう寝ろよ。いい時間だし」
時計を見るともう24時。
どうせ明日は朝から張り切って色々準備すんだろ…
それに、明日の夜は寝かせねぇ予定だから、その分今日寝ておいてもらわないとな。
そんな下心丸出しの俺の提案に、すーぐ騙されるミコトは元気よく返事をして笑った。
「うん!寝る!!
おやすみ陣平くん!!」
「おやすみ」
どう考えても寝る前のテンションじゃない声でそう言ったミコトは、鼻歌を歌いながら電話を切った。