第17章 太陽と水着とたこやき
帰り道、2人で肩を並べて最寄駅から陣平くんのアパートまでの道のりを歩いていた。
「今日は楽しかったねー!
最後はちょっとびっくりしたけど、あの人助かってよかった!」
そう言いながら陣平くんをチラッと見るけど、彼は何か考えて混んでいるようで、返事はなかった。
「陣平くん?…陣平くーん?」
「……え?あ、あぁ。」
陣平くんの名前を何度か呼ぶと、呼ばれていることにようやく気づいた陣平くんはわたしに目を向けた。
「どうしたの?ぼーっとして。
何か考え事?」
そう尋ねるわたしに、陣平くんはわたしの顔をじーっと見ながら逆に尋ね返してきた。
「お前、今何歳だ?」
唐突に年齢を聞かれ、わたしは一瞬固まった。
えっと、今は26歳から7年前にタイムスリップして、この間誕生日を迎えたから…
と、頭の中で計算して回答するのに2秒かかった。
「えっ!ハタチだよ?」
「…だよな…」
やばい。
聞いて1秒で答えないといけない問いに2秒費やしたことで、陣平くん怪しんでる?
内心ハラハラしながら陣平くんの様子を伺っていると、彼は少し考えた後、わたしの方を見て、笑顔で髪を撫でた。
「や、よく考えてみれば、お前はもうちっせぇ子供じゃねぇもんな。
あんな風に、誰かを救うことができる。
それにちょっと驚いただけ。」
「陣平くん…」
「俺がもしヤバくなったら、お前なら助けてくれそうな気がしたわ」
そう言いながら笑う陣平くん。
この笑顔を、わたしはずっと守りたい。
陣平くんに何かある時は、わたしが必ず助けたい。