第17章 太陽と水着とたこやき
そう思いながら、わたしは陣平くんの手をぎゅっと握りながら訴えるように言った。
「当たり前でしょ?!
陣平くん、わたしが絶対死なせないから!
何があっても、わたしが必ず助ける!」
そんなわたしを見て、陣平くんは呆れた顔で笑いながらまたわたしの髪を撫でる。
「お前、それじゃあ四六時中俺のそばにいる気かよ」
「う…でも…」
「ま、お前がそばにいねぇときはなるべく無茶しねぇようにするよ。」
「…本当?そんなこと言って、陣平くん後先考えずに危ない橋でもすぐに渡るでしょ?!」
「バレたか」
そして、くしゃくしゃっといつものように大袈裟に髪を撫でて、わたしを見た。
ねぇ陣平くん
わたしは未来から来たんだよ?
あなたを救うために。
信じられないかもしれないけど、わたしのいた世界では、陣平くんは殉職するんだよ。
お兄ちゃんと同じように。
わたしはそれを止めにきた。
もしあの11月7日の日、陣平くんを救うことができたら
そしてその時、わたしが変わらずに隣にいられたら
ちゃんと話すから。
それまでは…このまま…
ただ、陣平くんのそばにいたい。
前を歩く陣平くんの背中を見ながら、そう思った。
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