第17章 太陽と水着とたこやき
その時、トントンと誰かに肩を叩かれた。
ん?アユが何か乗せ忘れた?
てっきりアユだと思い、後ろを振り返ると全く知らない男の人が立ってる。
少し年上の、ちょっとチャラそうな見た目のお兄さん2人組が、わたしを見るなり笑顔で話しかけて来た。
「ね、1人でこんなに食べるの?
俺らが運ぶの手伝ってあげようか?」
と、1人と決めつけて有無を言わさないナンパ術…
わたしはふいっとそっぽを向きながら、再び歩き出した。
「ちょ、ちょっとー!
ね、今から暇?俺らと一緒に遊ばない?」
「暇じゃないです。遊びません」
「そんな冷たいこと言わずにー!
いいじゃん。名前、何で言うの?」
「彼氏と来てるので!」
「へぇ?でも俺たち、彼氏より優しくできる自信あるけど?
満足させてやるのになー?」
あっちの方も上手いよ?」
日本語が通じない日本人とはまさにこの人のことを言うんだろう。
わたしが何を言っても聞く耳を持たないその人は、わたしの肩を抱きながらそんな下ネタをぶっ込んでくる。
なんて、下品な!
あっちの方も上手いってなに?!
陣平くんのほうがぜっっっったい上手だから!!
と、意味不明な張り合いを心の中でしていた時、わたしの後ろから声がした。
「おい」
その声の主は、わたしの肩に回された男の腕を乱暴に振り払うと、わたしの身体を自分の後ろに隠した。