第17章 太陽と水着とたこやき
朝から流れるプールにスライダー5つ制覇した。
まるで子供みたいにはしゃぐわたしたちは、あの頃と何も変わっていないのかもしれない。
「陣平くん、焼けてるー!」
日に当たるとすぐに黒くなるタイプの陣平くんは、もうすでにこんがりしている。
かたやわたしは、火に焼けたところが少しだけ赤くなってる。
日焼け止め、塗ったのになー…
シミになっちゃう…
しゅんとしながら、焼けた箇所を手で押さえていると、陣平くんがわたしにまたパーカーをかぶせた。
「??」
「プールサイドにいるときは、絶対これ着てろ」
陣平くんは、そんなにわたしの日焼けを心配してくれているのだろうか…
お兄ちゃんより過保護だよ?それじゃあ…
じーっと陣平くんを見るわたしの視線に気付いた陣平くんは、わたしの髪をわしゃわしゃ撫でながら言う。
「ちょっと休憩しようぜ。
腹減った」
「あ、じゃあわたし何か買ってくるよ!
友達がここの売店でバイトしてるの!
チケットのお礼も言わなきゃだし」
「…なら、俺も」
陣平くんもわたしと一緒に売店に行こうとしたけれど、すでにプールは混雑していて、パラソルとベンチを手放したらきっと取られちゃう。
「陣平くんはここで待ってて?
ほら、ここから見えるあそこの売店だから。」
そう言って売店の方を指差した後、わたしは陣平くんをおいて、一人で軽食を買いに出た。