第17章 太陽と水着とたこやき
「陣平くんは、わたしの」
こんなふうにミコトが独占欲を見せるのは実は珍しい。
ミコトの周りにはいつもミコトを狙っている男がいて、俺のほうがそいつらからミコトを独り占めしようと必死になることが多いのに、今日は真逆だ。
ぎゅぅと抱きついて離れないミコトが可愛すぎて、俺は思わず顔が綻んだ。
「誰だか知らねぇけど、俺はお前のなんだけど」
「…わたしよりも美人なお姉さんだったけど?」
「お前より可愛いやつなんて、この世にいるのかよ」
「可愛いじゃ無くて美人だった」
「…もう黙れって」
俺はそう言いながら、白昼堂々とミコトの唇を奪った。
それだけで、ミコトの機嫌はころっと良くなる。
単純なやつだな…
その単純さが可愛くて仕方ねぇんだから、俺はどうかしてる。
「ほら、せっかく来たんだしプール入ろうぜ」
そう言ってミコトに手を差し出してやると、ミコトは嬉しそうに俺の手を握った。