第17章 太陽と水着とたこやき
しかしあちぃな…
早いところプールに入って涼みたいぜ…
そのとき
「陣平くん」
声のした方を見ると、ミコトが立っていた。
ちゃんと俺のパーカーを着ているのはいいが、ブカブカすぎて太ももの微妙な位置までパーカーが伸び、それはそれで男を挑発するような格好になっている。
しまった…
ちょっと考えればわかることじゃねぇか俺…
自分の考えの至らなさにはぁーっとため息をついていると、ミコトは目を丸くして俺に言う。
「早いね陣平くん!」
「下を着替えるだけだからな」
そう言って俺が手を差し出すと、ミコトは嬉しそうに俺の手を握った。
「それにしても暑いねー!
早くパーカー脱いでプールに入りたい!」
そう言って笑うミコトは、髪をアップにしていて白い首筋に思わず見惚れた。
以前につけた俺のモノという印は、すっかり消えていて、綺麗な傷ひとつ無い肌が眩しい。
また付けとかないとな…
そんな下心丸出しのことを考えながら、一緒にプールサイドまで歩き、空いているパラソルの下に腰掛けると、俺はハッと思い出した。
「やべ。
浮き輪、ロッカーに入れたままだ。
取ってくるわ。待ってろ」
「はぁい」
しまったな。
ミコトのことに気を取られすぎだろ俺…
はぁ…とため息をついてガシガシと頭を掻くと、俺はミコトを置いてまた更衣室へと戻った。