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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第17章 太陽と水着とたこやき




松田side


電車を乗り継いでプール施設に到着した。

照りつける太陽の下、水着で客たちが楽しそうに夏を満喫しているのを見て、ミコトと海に行った時のことをふと思い出した。

ミコトは、陣平くんにフラれた日とか言っているが、正直あの頃からきっとミコトのこと好きだったんだと思う。

ただそれが恋心だと自覚したのが遅かっただけだ。

あの時は、ミコトの水着姿をジロジロ見る奴が大勢いて、思わずイライラしたのを覚えてる。

それを思い出し、俺はハッとして更衣室に向かおうとするミコトを呼び止めた。



「ミコト!」

「?なーに?」

「出てくるとき、これ着ろよ」


そう言って、自分が着る予定だったパーカーをポイッと投げると、ミコトは慌ててそれをキャッチして不満げに言う。


「えー!せっかく水着買ったのに?」

「…日焼けすんだろ。
お前、焼けたら赤くなって痛いクセに」


嘘だ。
正直に、お前の水着姿を俺がいないところで誰かに見られるのが嫌だ。
そう言えばいいのに俺は相変わらず意地を張って嘘をつく。


「あぁ…たしかに!」


こいつ本当に医学部なのか?と疑いたくなるぐらい単純なミコトは、そんな嘘にあっさりと納得し、俺のパーカーを抱きしめたまま更衣室に駆けて行った。

まあいい。
とりあえずこれで俺の本来の目的は達成だ。

あの2年前の夏から何一つ進歩していない自分に呆れながらも、俺も着替えるために更衣室へと向かった。


と言っても、水着一枚着替えるだけの俺は、更衣室にいたのは数分足らず。

先に入ったミコトよりも早く出てきた俺は、更衣室の出口前でミコトが出てくるのを待った。


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