第16章 ある夏のはじまり
松田side
散々キスをしたあと、徐々に体調が悪くなって来たのか、ミコトは俺に甘えながら腹を押さえた。
「お腹痛い…」
そう言って顔を顰めるミコトは本当に辛そうで、俺はどうしていいかわからずただミコトの髪と頬をぎこちなく撫でた。
「ん…陣平くんが撫でてくれると、なおる」
そう言ったのも束の間、ミコトは次第に瞼が落ちて来て、ゆっくりと目を閉じて寝息を立て始めた。
「すー…すー…」
「ふ。マヌケな寝顔」
そう言いながらミコトの鼻を摘んで遊んでいると、ミコトは「んーー」と顔を顰めたあと、ごそっと身体を俺の方に密着させて来た。
さっきまで俺の腕枕の上で大人しく身体を丸めて眠っていたくせに、俺がミコトの顔で遊んだことをきっかけに、俺の身体に抱きついてぴとっとくっついたミコト。
ふに…と柔らかい胸が俺の胸下に当たり、思わず反応した俺のアレがミコトの下っ腹をグッと押し出す。
「おい…ミコト。
ちょっと離れろ…」
眠るミコトにそう言うも聞こえているはずもなく、それどころかまたうーんと唸りながら俺に身体を擦り付けてくる。
や、柔らけぇ…
しかもこいつ今、下着着けてねえんじゃ…
そう思うと余計に俺の身体は反応した。