第16章 ある夏のはじまり
シャワーからあがったら、陣平くんとベッドで…
そこまで想像して、わたしはかあぁあっと顔を赤くし、悶える。
もう何度も彼に抱かれているのに、未だに緊張するしドキドキするし、口から心臓が出そうになるぐらいだ。
わたし、どれだけ陣平くんのこと好きなの…
そう自分に呆れながら、テーブルに置いてあった食器をまとめたわたしは、洗い物をしようと立ち上がった。
そのとき
「ん???」
この感覚、毎月毎月やってくる、女の子特有のアレ…?
わたしは急いでカバンからポーチを取ると、そのままトイレに直行。
案の定、月に一度の女の子の日が始まってしまった。
「あぁー!」
なぜ、このタイミング…
がくーっと肩を落としたわたしは、まあでも生理来ないなら来ないで焦るけど…と独り言を言いながら、ナプキンを敷いてトイレを出た。
ちょうどその時陣平くんがお風呂から出てきて、髪を拭きながらわたしに話しかける。
「ほら、お前も入れよ」
「うん…」
ずーんと落ち込んだまバスルームに向かうわたしを、陣平くんは不思議そうな顔をして見ていた。