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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第16章 ある夏のはじまり




陣平くんは沈んだ表情のまま、寝ると言ってベッドに転がった。

せっかく久しぶりに2人で会えたのにな…

陣平くんが土曜日お休みなのは久しぶりだった。
今日は金曜日だから、本当なら泊まって明日まで一緒にいようと思っていたけど、陣平くんがこんな調子じゃ今日帰らないとだめだな…

仕方ない。
そう自分に言い聞かせて、わたしは極力音を立てないようにキッチンで夕食の準備を始めた。

ほうれん草のおひたしに、にんじんしりしり、
筑前煮と豚の生姜焼き。
それにお味噌汁。

ワンルームのキッチンで作るには結構大変な量だけど、陣平くんが少しでも笑顔になれるなら何も苦じゃなかった。


料理が完成する頃、時計の針は20時を指していた。
帰宅してから2時間
ちら…とベッドの方を見ると、陣平くんはまだ眠っているようだ。

起こしたらかわいそうだよね…
今日はこのまま帰ろうかな。
わたしがいたら休まらないだろうし…

そう思ったわたしは、作った料理をすべてタッパーに入れると冷蔵庫にしまった。

そして、机の上にメモを残し、陣平くんを起こさないようにこっそりと部屋を後にした。


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