第15章 メイド服を着たカノジョ ☆
これは謝らないとダメだな…
そう思ったわたしは、陣平くんに謝りながらごめんなさいのキスをしようとする。
「陣平く…ごめんね…?」
キスをしようと顔を近づけた時、パッとそれを払い除ける陣平くん。
「…いいから、荷物持って帰るぞ。
もう十分貢献したろ」
「う…うん…」
少しだけ冷たくそう言われ、わたしは慌てて陣平間のそばに駆け寄り、荷物を置いてたサークルのコスプレ喫茶をやっている講義室へと向かった。
講義室はがらんとしていた。
どうやらみんな、喫茶はもうクローズして夕方から始まるゲストのアースレディースのライブへと向かったらしい。
置いてあるのはわたしの荷物と新出くんの荷物だけ。
ビュッフェ券をかけて出場したというのに、荷物ぐらい誰かロッカーに入れておいてよね…
はぁ。とため息をつきながら荷物を肩にかけ、陣平くんを見ると、さっきからずっと顰めっ面だ。
「あの…陣平くん、ごめんね…?」
きゅ…っと陣平くんの手を握りながら、どうにか許してもらおうとゆっくりと唇を近づけていくと、またしても陣平くんはわたしをパッと払い除けた。
なんで…?
咄嗟に拒絶されたことに、わたしは思わず不安と恐怖に支配される。
まさか…陣平くんに嫌われた…?
考えたくないこの考えに到達してしまい、わたしからブワッと涙が溢れた。
「ったく…帰るぞ…って、おい!
何で泣いてるんだよ!」
「ぅっ…だって…陣平くんがキス拒むんだもん!」
「…っ今お前とキスしたら、あいつとお前が間接キスになんだろ」
「え…?」