第15章 メイド服を着たカノジョ ☆
零の暇つぶしのオモチャにされていると気付いた俺だが、しゃあねぇ。
そもそもカップルコンテストにカップルじゃない奴らが出ること自体おかしいだろ。
と、この企画自体にいちゃもんをつけ始めた俺。
そうこうしていると、ステージのライトが光り、コンテストが始まった。
さっさと敗退しやがれ。
そんな風にステージを睨んでいると、出場者が続々と入場した。
おそらくほとんどが本物のカップルだろう。
手を繋いで仲良さそうにステージを歩くカップルが大半の中、ミコトとプリンスチャーミングはぎこちなさそうに距離を取って歩いてる。
「んだよ。心配することなさそうだな」
これは初戦落ちだわ。
と、呑気に構えていると、後ろに着席していた女の声が耳に入る。
「ねぇ、あのアリスと王子様、初々しくて可愛くないー?」
「思った!ベタベタされるより、微笑ましくていいよね!」
はあ?!!
おいおい、女の感性は意味不明だな。
安堵したり、余裕こいたり、途端に焦ったり、百面相とも言える俺の顔芸に、隣にいた零は口元を手で覆いながらクスクスと笑ってやがる。
「松田…そんなに顔に出る男だったか?」
「あぁ?!テメェ一体誰の味方なんだよ!」
「そりゃあ松田の味方だよ。
どう見てもそうだろ?」
楽しそうにニコニコ笑いながら俺を見る零。
どこが俺の味方なんだか…
頭を抱えていると、まずはお互いのクイズでの審査が始まった。