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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第2章 初恋のはなし




お兄ちゃんに手を引かれながら、わたしはポロポロと言葉をこぼす。


「…わたしっ…今日たくさんおしゃれしたの…」

「うんうん」

「なのにっ、陣平くんはお姉ちゃんばかり見てて、お兄ちゃんに可愛いなんて言われてもちっとも嬉しくないもん」

「…にいちゃん、傷つくなぁ」

「どうしてわたしは1番末っ子なの…
わたしも、お姉ちゃんになりたかった」


ウッ…ウッ…と泣きながら言うわたしを見て、ため息をつきながらお兄ちゃんが言う。


「ミコト、お前は俺の大事な妹だよ。
姉ちゃんとはまた違った魅力がたくさんあるんだよ。」

「だから!お兄ちゃんに気付いてもらっても意味ないの!」

「相変わらずにいちゃんに厳しいなぁ。ミコトは。
…でも、陣平ちゃんもそのうち気付くよ。
お前に思われ続けて、嫌な顔する男なんてこの世にいない」


お兄ちゃんが、珍しく真剣な顔してわたしを見ながら、涙を指で拭った。


「お前は俺の世界で1番可愛い妹だ」


高校2年になっても、わたしはお兄ちゃんに甘えて、胸の中でわんわん泣いた。


お兄ちゃんはいつだってわたしの味方だった。

何度も何度もわたしを助けてくれて、かっこよくて、言わなかったけど自慢のお兄ちゃんだって思ってたよ。


言えば良かった。
お兄ちゃんに、大好きだよって。

素直になれずに言えなかったから、神様に取り上げられちゃったのかな…



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