第15章 メイド服を着たカノジョ ☆
カフェに到着するや否や、そこにいた女全員が一斉にこっちを見た。
そして、キャーキャーと騒ぎながら近寄ってくる。
「えー!ミコトの知り合い?!」
「うん。お兄ちゃんの同期で…」
「萩原さんのお兄さんって、確か警察官だよね?!」
「え、じゃあお二人も警察官なんですか??」
2人も。なんて言っているが、そこにいる女は全員降谷を見つめて目をハートにしてる。
まあ、警察学校でも萩原の次にモテてたからな。零は。
というか、萩原のチャラさが無いぶん、零にはガチで恋してる女がたくさんいた気がする。
そんな様子を見て、隣にいるミコトは俺を見て笑って言った。
「降谷さん、モテモテだね」
「萩がここにいたら、間違いなく萩の独壇場だったけどな」
「…わたしは、陣平くんが一番だけどなー」
サラッと、なんの躊躇いもなくそんなことを言うミコト。
俺は嬉しさで、その場で危うくミコトにキスしそうになったのを慌てて思い直した。
「…ミコト。
それはそうと、その格好どうにかなんねぇか?」
「似合ってない?」
「ちげぇよ、その逆。
…可愛すぎて、他の男に見せたくねえんだよ」
恥ずかしくて、思わず目を逸らしてそう言うと、ミコトは俺の耳元で囁いた。
「今日、これ着て陣平くんの家行ってもいい?」
「っ!?」
思わず、声にならない声が漏れ、ミコトを慌てて見ると、ミコトは笑いながら俺を見た。
「陣平くん慌てすぎ!」
「テメェ…ミコトのくせに俺のことからかいやがって」
そう言いながら、ミコトを捕まえてくすぐり攻撃をしようとした瞬間、
「萩原さん!!新出くん!!」
講義室の扉がガラッと開いて、女子二人組がミコト達の名前を呼びながらこちらに向かってきた。