第15章 メイド服を着たカノジョ ☆
松田side
零と、ミコトのサークルがやってるコスプレ喫茶の場所へ向かっている途中、すれ違った学生の会話が耳に飛び込んできた。
「ねぇ、さっきのアリスとシンデレラの王子様、お似合いだったよねー!」
「ああ、あの2人、医学部で有名じゃんー。
秀才カップルかー。羨ましい」
医学部…アリスの格好…
まさか、ミコトか?
もしそうだとすると、一緒にいたお似合いだと言われているシンデレラの王子様は一体誰だよ。
そんな嫌な妄想ばかり膨らませていると、隣にいた零が俺にぽつりと呟いた。
「あれ、ミコトさんじゃないか?」
「え?」
見ると、アリスの格好をしたミコトと、その隣に王子様の格好をした、いかにも頭が良さそうで誠実そうな男が立っていた。
っていうか、何だよあの格好…
アリスってもっとスカート長いはずだろ?
膝上何センチだよ。
ふとした時に簡単にパンツ見えそうなぐらい短ぇじゃねえか。
それに、胸元も谷間が見えるぐらい開いてるし。
「ミコト!」
俺はミコトの名前を呼びながら、ズンズンと2人に近づくと、俺に気付いて驚くミコトに自分が着ていたジャケットを着せた。
「…んの、バカ!!」
「え??!」
突然バカと怒鳴られたミコトは、目を丸くして俺を見た。